まず、着物を着ると考えた時に「着物を着用した時にはアクセサリーをつけてはいけない」と明確なルールとしてあるわけではないのですが、多くの人がそう聞いたことがあるはず。
そもそも、着物を普段着として着ていた時代に、髪に簪をつけることはあってもピアスやイヤリング、ネックレスなどの洋風の飾りを身につけることはありませんでした。そのため、装飾品として定着している現代でもピアスなどを着物を着た時につけていると、どこか違和感を感じてしまう＝マナー違反と考えられる。そんな理由から、暗黙のルールとして認識されているようです。

絶対につけていはいけないというわけではない、とお話ししたのですが、つけない方が無難と思われているシーンもあります。それは、フォーマルな場に出席する時です。
例えば、結婚式(披露宴)や祝賀会、入学式や卒業式など様々な年代の人が多く集まる場であり、公式な式典には格の高い着物を着るため、基本的にはアクセサリーなしない方が良いとされています。

では、どんな時であればアクセサリーをつけてもいいのか、それは普段着として着物を着る場合。
普段着であれば、ファッションの一部として、ピアスやイヤリング指輪などをコーディネートして楽しむのも自由です。最近では、和のデザインのアクササリーも増えてきているため着物に合わせて選んで楽しんでみてください。

アクセサリーの中でも婚約指輪や結婚指輪は、公式な場の格の高い着物を着用した時でもつけていて問題ないとされています。カジュアルな装いの中でもファッションとして、複数の指輪をつけることも問題ありません。
ただし、デザインには注意が必要です。シンプルな平たい指輪の場合、問題ないのですが、大きな宝石がついているものや立て爪のもの、着物を傷つけてしまう恐れがあるデザインはやめておいた方がいいかもしれません。

ピアスやイヤリングも絶対にNGとされている訳ではありませんが、公式な場や年配の方も多く出席している場ではつけない方がいいと言われることが多いと思います。
もし、公式な場でピアスやイヤリングをつけたいと考えている方は、シンプルなデザインの小さめのものや揺ない耳にピッタリとつくタイプのものを合わせることがおすすめです。
特に結婚式では、揺れるタイプデザインは、揺れる＝『不安定』を意味することもあり、避けた方がいいと言われています。

カジュアルな場面では、着物に合わせた自由なコーディネートを楽しんで問題ないでしょう。
また、成人式で振袖を着用する場合でも、公式な式典というより、『20歳になったことをお祝いするイベント』という意味合いが強く、髪をアップにして、ピアスやイヤリングをつけるとお顔周りも華やかな印象になる為、振袖を着用する時にも全身のコーディネートとして、つけるかたも増えてきたように思います(^ ^)

ネックレスは、着物の時は基本的に着用することはあまりおすすめされていません。
もともと、ネックレスは胸元を綺麗に見せるためのもので、着物では半襟や伊達襟などによってその華やかさがコーディネートされているためです。また、着物はもともと襟元がほとんど空いていないため、ネックレスをつけていても見えることがないためです。
見えなくてもいいから、つけておきたいということであればつけることに問題はないのですが、半襟や着付けの際に引っかかったりしないように注意が必要です。